ちょこっと!現地調達ピクニック

大好きなあの娘とお弁当を持ってピクニック。行き先は海? 山? それとも町中の公園? ま、2人だったらどこ行ったって最高でしょ。だったらあえてハードル上げて、食材や調味料をちょっとだけ現地で調達。調達できてもできなくっても、美味しくできてもできなくても、それはそれで甘い恋の隠し味。そんな思いつきから始まる現地調達ピクニック。

(3)イチゴとシャンパン(仮)のマリアージュ編

お酒と映画が大好きな亜美ちゃんと、北区の二郎でまぼろしのいちごとシャンパンの現地調達ピクニック。
もぎたてのいちごもゲットして、ついにあの映画で見た憧れのマリアージュ。さてさて、どんなお味?

 

亜美ちゃん
「まぼろしのいちごゲットしましたー」
――
いきなりいっぱい採ったね(笑)
亜美ちゃん
「あぁ、もういい香り」
――
じゃあさっそくひとつ味見にしてみますか。
亜美ちゃん
「じゃ、いただきまーす」
亜美ちゃん
「すっごい柔らかくてジューシー! で、甘さがめちゃめちゃ上品!」
――
いちごっぽい酸味をほとんど感じないね。
亜美ちゃん
「だからすごく甘さが前に出てくる。でもべったり感は全然なくて、むしろ食感と合わさってやさしさが引き立ってる感じ。
――
お、なかなかいい表現(笑)
亜美ちゃん
「でしょ(笑) 確かにこれは100個いけそうやわぁ」

ちなみにこのいちごは「章姫(あきひめ)」という、現在二郎地区で主に栽培されている品種です。
形は先が尖った長め円錐形、味は酸味が少なく柔らかな甘さが特徴です。
果皮がやわらかく痛みやすいため、一般のスーパーなどに並ぶことは多くありません。
一部で「まぼろしのいちご」と呼ばれているのもそのためです。

――
ということで、そろそろ本日のお待ちかね。シャンパンといちごのマリアージュいきましょうか。
亜美ちゃん
「よ、待ってましたー!」
――
本日は白の泡とロゼの泡、2本ご用意してます。
亜美ちゃん
「あはは、そんなの絶対ベロベロなるやん(笑) じゃあまずはロゼから」

 

《ワイン紹介》
クレマン・ド・ボルドー・コンテス・ド・サン・ペイ・ロゼ
産地:フランス ボルドー
ブドウ品種:メルロー、カベルベ・フラン

亜美ちゃん
「うわぁ、きれいな色。あれ、でもこれボルドー産やん。シャンパンじゃない?」
――
残念ですが、予算の関係でスパークリングワインになりました。
亜美ちゃん
「えーー!」
――
でも、シャンパンと同じ瓶内二次発酵※のを選んできたので、そこは大目に見てください。
亜美ちゃん
「うーん、しゃあないなぁ。まっ、とりあえず呑むかぁ!」
――
それって、ただ早く呑みたいだけなんじゃ……。

そんなツッコミも気にせず、慣れた手付きで手際よくコルクを抜く亜美ちゃん。
割れないようにタオルでぐるぐる巻きにして持ってきたシャンパングラスに注いでいきます。

 

グラスに注ぐと、ピンク色がよりいっそう際立ちます。

 

まずはスパークリングワインを一口。

 

そして大粒のいちごを一口でがぶり。

亜美ちゃん
「いちごの甘みとワインの酸味がめちゃくちゃ合う!」
――
これは美味しい。
亜美ちゃん
「いちごがスパークリングの香りを、スパークリングがいちごの甘みを引き立ててる。あぁ、これは無限ループだわ」
――
きめ細かい泡も気分いいよね。外で飲むの最高。
亜美ちゃん
「春先に畑の真ん中でいちごとシャンパン……じゃなくてスパークリングワインとか、幸せすぎでしょ!」

 

せっかくなの、いちごを浮かべてみたり。

 

いちごを少し指で潰して入れてみたり。

 

どれも美味しいし、華やかな気分にはなるけど、味を楽しむなら交互に味わった方が楽しめると感じました。(亜美ちゃん調べ)

 

滑浦さんもちょっと味見。

 

滑浦さん
「若い子のやることはようわからんわ(笑)」

あっという間に1本目が空になったの、続いて2本目へ。

 

《ワイン紹介》
ブリッツィンゲン ブラン・ド・ノワール シュヴァルツリースリング ゼクト・ベー・アー ブルート
産地:ドイツ バーデン
ブドウ品種:ピノ・ムニエ

亜美ちゃん
「おぉ、これはこれでまた全然味わいが違う!」
――
こっちの方が口当たりがまろっとしてる。
亜美ちゃん
「うん、ワイン自体にコクがあるよね。で、いちごと合わさった時、ちょっとぬるっとした日本酒みたいな美味しさになる。あとの余韻の香りがいちごと混じり合ってすごく華やか」
――
おぉ、なんかソムリエみたいだ。
亜美ちゃん
「ふふふ。ドローン飛ばすのやめて、ソムリエに転職しようかな(笑)。っていうか、これあかんわ。ほんま美味しいし、楽しい。ちょっと私、いちご追加で採ってくる!」

そんな具合で、いちご採って、呑んで、食べて、またいちご採って、呑んで、食べての、文字通りの無限ループ。
もちろん亜美ちゃん、いい感じで酔っ払ってます。

 

亜美ちゃん
「かーっ、もう最高やー!」

 

亜美ちゃん
「もっといちご持ってこーーい!」

「お嬢さん、酒呑みやなぁ。いちご狩りに来てこんな酔っ払ってるお客さん初めてやわ(笑)」 
滑浦さんも、苦笑い。

 

そんなことをやっているうちにいちご狩りの30分もとうに過ぎて、スパークリングワインも2本空きました。
えっ、ほんとに空いたの!?

亜美ちゃん
「あかん、あたし完璧に酔っ払った。あははは。」
――
それにしてもよく呑んだね。2人で呑んだけど、君、3分の2くらい呑んだでしょ。
亜美ちゃん
「こんなとこまで連れてきて、呑ましたんあんたでしょうが。あははは。でも、いちごとスパークリング、想像してた以上に最高やわ。春やし、外やし、もうあたしベロベロやん。あははは。」
――
だ、大丈夫?
亜美ちゃん
「大丈夫大丈夫。ちょっと歩いたらまた呑めるから!」
――
え、まだ呑むの?
亜美ちゃん
「当たり前やん、まだ昼過ぎやよ! よーし、今日は夜まで行くぞー!!!」

ということで、滑浦農園を後にして、酔い覚ましにJR道場駅まで続く約4キロのハイキングコースをおしゃべりしながら歩くことになりました。ベロベロの亜美ちゃんからどんな話が聞けるんでしょう。次回最終章、お楽しみに。

(4)に続く————————


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