聞き手
いなだみほ
ライター
神戸在住歴30年。その間デートはしたりしなかったり。現在もデートはしたりしなかったりしなかったり…。プライベートでは気に入ったお店に何度も通うタイプ。そろそろ「お気に入りファイル」に新規も増やしたいところ。
話し手
西川功晃
パンと暮らしのCa marche シェフ
「パンと暮らしのサマーシュ」オーナーブーランジェ西川功晃さん。1963年京都生まれ。「アンデルセン」「オーボンヴュータン」、「ビゴの店」にて修行ののち渡仏。帰国後、コムシノワグループ荘司索オーナーとともに「ブーランジェリーコムシノワ」、「ブーランジェリーコムシノワアンドオネストカフェ」をオープン。2010年秋独立、北野に「サ・マーシュ」をオープン。
パンと暮らしのCa marche西川さんの場合
いなだ:西川シェフの神戸のグルメデートなイメージのお店って、どんなお店ですか?
西川シェフ:「ザ・神戸グルメデート」というイメージでいうと、フレンチレストランの「パトゥ」なんて、ズバリ!な感じがします。落ち着いた雰囲気の中、デートの相手とちゃんと向き合って食事をしながら会話も楽しむことができるお店ですよね。
いなだ:西川シェフもデートで行かれているのですか?
西川シェフ:そうですね。奥さんとときどき行ってます。山口シェフがきちんと作る料理、正統派って感じですごく好きなんです。丁寧にスープを作る、野菜も鮮魚も肉の下処理や下ごしらえも一からちゃんとしてます。奇をてらわないクラシックな料理を、現代人の五感に合わせた味や盛り付けで表現されているところがすばらしいんですよね。
いなだ:西川シェフの記念日の思い出ってありますか?
西川シェフ:結婚記念日に、たまたま食事に行ったんです。北野の「グラシアニ」へ。そうしたら、サービスのスタッフが「今日は何か特別な日ですか?」って、聞いてくれたんですよね。それで「19年目の結婚記念日なんですよ」って言ったら、「今日はいいのがありますよ」と、僕たちが結婚した年のワインボトルを出してくれて、開けてくれたんですよ。
いなだ:なんと!感激ですね!
西川シェフ:しかも、帰り際には小さな花束を奥さんにくださって…。
いなだ:さらに感激!記念日ごとに行きたくなってしまいます。
西川シェフ:(笑)。料理もおいしさもさることながら、こういうサービスが2人の思い出になりますよね。僕も奥さんも、結構、お店の方に話しかけちゃう方なんですけど、デートの時ってそういうことももしかしたら大事かもしれないです。フランス時代、レストランに出かけたとき、ギャルソンに「こんばんは。きれいなお店ですね」とインテリアについて一言話したり、メニューを見せてもらってオーダーする時に「メニューが充実してますね」と感想を言ってあげたりすると、お店の方もこちらに対して、好意的というか、フレンドリーになってくれる気がします。きっと、褒められて悪い気もしないと思うんですよね。そうすると、お店での時間をより楽しく過ごすことができる。
いなだ:なるほどー。
西川シェフ:デートは2人だけの時間を過ごすためのものかもしれないけれど、ちょっとした会話でお店が味方をしてくれて、より楽しくおいしい時間になって、2人もますます仲良しになれるかもしれない。女性は割と自然にそれができていると思うのだけれど、男の子もちょっとがんばってお店の方と会話してみてほしいな。
いなだ:最近のおすすめはどちらですか?
西川シェフ:「レストランzoe」と「エッレ」ですね。どちらも若いシェフがしているレストランです。僕と奥さんは食べることが大好きだから、気になるお店にはどんどん行きます!
いなだ:どんどん!私もどんどん行ってがんがん食べます!あ、その前に相手探します…。
西川シェフのデートにオススメのお店ベスト3
正統派神戸デートにおすすめ
「レストランパトゥ」
大人のための上質フレンチレストラン。腕をふるうのは、神戸の「レストラン・コムシノワ」、東京三田の「コート ドール」で修業後、渡仏経験も持つ山口義照シェフ。素材の持ち味を生かしながら、香り、風味、余韻も大切に表現する料理は、一皿ごとに感動です。
https://restpatous99.wixsite.com/patous
若い人におすすめしたい
「レストランzoe」
町のレストランやホテルで約15年修業を積んだ後、中山手通にフレンチレストランを開店。小さなお店ながら、フレンチのテクニックを礎に、オリジナルな調理法によるメニューが豊富。ランチもディナーもお手ごろプライスもうれしい。
いまどきレストランなら
「erre」
薪焼きや自家製発酵など原始的な調理法で素材を活かす料理を提供。食べることを通して、胃袋だけでなく心も豊かにしてくれる料理と時間を提案してくれるハイセンスなレストラン。
http://erre2017.com
「大きなパンをちぎってシェアするべし!」
カップルでうちに来てくれるお客様も多いんですよ。いろいろ相談しながら、買ってくれる姿は、微笑ましいですよね。お互いにそれぞれ気になるパンを買うのもいいけれど、ボリュームのある大きなパンを選んで、分け合って食べて欲しいな。1つのものをシェアする行為って少し特別な感じ。2人の仲が深まる気がします。うちのテラスでわけ合って食べてもいいし、お互いの家に持ち帰って食べて、味の感想を言うためにまた連絡を取ったり…。そういうの、楽しくないですか。